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ベニス編3

サンタ・ルチア駅


Z子の悲劇 ~ベニス編(3)の後編~ 

ただでさえ、列車の発車時間ギリギリにチェックアウトしたZ子とぼくだけに、時間のゆとりはありません。と言っても、このままではサンタ・ルチア駅発のミラノ行き列車にさえ乗れないのです。選択肢は、ホテルに戻るしかありません。

Z子に怒られながら、すぐ次の停船場で降りて引き返し、ホテル・リアルトに駆け込みました。一直線にセイフティ・ボックスの部屋にへ走りました。ボックスを開けて急いで中の物を取り出し、すぐにサンタ・ルチア駅に向わなければなりません。カード式のキーを握りしめたぼくは、それをボックスのスロットに挿入して、暗証番号を押してボックスが開くのを待ちましたが、いつまでも開きません。「おかしいぞ!?」ボックスの番号も暗証番号も正しいし、カードキーを何度入れ直しても開きません。万事休す!
たまらず、フロントにクレームを訴えに行きました。すると、「あなたは、もうチェックアウトをしてしまったので、セイフティ・ボックスはもう使えなくなりました。」と冷たい返事。「じゃあ、どうすれば、いいのよ!?」と、Z子は、ぼくを睨んでいます。

「これから事情を説明して、身分を証明しセイフティ・ボックスを開けてもらうのにどれくらいの時間を要するのだろうか?ボックスを開けてパスポート類を手に入れても、果たして列車の時間に間に合うだろうか?」パニクリ、パニクラ*のぼくの頭の中は絶体絶命的状況に追い込まれていました。

フロントマンが、「それでは、新しいカードと番号を発行しますので、書類を記入してください。」と用紙を差し出します。「あー、こんなことをしていたら間に合う訳ないなぁ・・・」と、思いながら記入して、カードキーの発行を待つことになりました。
やっとの事で新しいカードキーを手に入れて、セイフティ・ボックスからベリー・インポータント・アイテムを取り出し、カードキーをフロントに返却し、一目散に船着場に走りました。

「急いでいるときの船は何とのろいこと!」ヴァポレット(水上バス)の中でも走りたいほどでしたが、 やっとサンタ・ルチア駅に着いたときには、案の定ミラノ行きの列車の出発時間を過ぎてしまいました。「チケットは無駄になってしまったけど、次のミラノ行きの列車の時間を調べて、新たにチケットを買うしかないな。」と話しながら、船着場から20段ほどの階段を重いサムソナイトを抱えて、サンタ・ルチア駅のターミナルへと入っていきました。窓口へ行き、「今度のミラノ行きは、いつですか?」と聞いてみました。すると、窓口嬢が「出発が30分遅れている列車に間に合うが、それで良いか?」

さすがイタリア! 列車の時間もルーズでした。Z子とぼくが乗るはずだったミラノ行きの入構が30分遅れていて、まだホームに入ってないそうです。「やった!」と、Z子とぼくはラッキーを喜び合いました。チケットも無駄にならず、予定の列車に乗ることができて、メデタシ、メデタシ!
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