思春期以降の音楽学習
音楽を説明するレッスン
そこで、10歳代の学習者への演奏による模範の提示と言葉による充分な説明が必要になるのです。どのような説明が、音楽の学習にとって有効なのでしょうか。音楽の学習項目について、それぞれの具体的なサンプルを挙げて解説するべきですが、その解説は別の機会にさせていただき、ここではおおまかな項目で説明してみます。
① 基礎奏法の大切さの解説
学習者が初心者の頃から学んできた基本的な奏法の再確認をし、この基礎奏法の継続の重要さを認識させ、教師は各レッスンで常にチェックします。
② 練習方法の解説
フレーズや短い部分を練習するリズムパターンやテンポを提案し、ある程度の目標値を決めます。「毎日何回」などの指定は必要なく、出来るようになるまで学習者自身にプランを立てさせます。教師は、音量、音色、気持ちの方向性なども細かく指示しておき、経過や結果を以降のレッスン時にチェックします。
③ 演奏テクニックの解説
リズムやスケール、アルペジオ、アーティキュレーション、スタッカート奏法、音色やレガート、各種フレーズ感、音域別の奏法、等々、それぞれにふさわしいテキストを与え、目的や今練習する意義等について説明します。
④ 楽曲分析の解説
曲全体の構成、各部分の対比と意味、和声的な分析などについての説明をし、簡単な分析を自主的にできるよう導きます。学習者は、奏者の意思や方向性を帯びた音楽作りの習慣を身につけます。
⑤ フレージングの解説
各フレーズのリズムやメロディ、伴奏型等の意味を説明します。それに伴って、学習者には練習時の音楽的な目標が生まれます。
⑥ 曲や作曲家の解説
楽曲の成り立ちや作曲家のバックグラウンドを話し、他の作曲家や音楽の時代の比較を解説します。
⑦ その他
色々な奏者の演奏上の特徴や逸話を通して、音楽や演奏への興味を深め、練習の多様性を伝えることが大事です。
非常に大まかになりますが、教師は、以上のような項目を省かず、学習者へ音楽の常道を伝えて行くべきでしょう。また、音楽を作り上げていく過程にトコトン付き合う気概を持って20歳頃まで見守ります。
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