桐朋学園音楽部門九州同窓会

思春期以降の音楽学習

音楽レッスンを言葉で説明する意味

 音楽を図や文章や言葉などの音以外の方法で置き換えて伝えることは非常に難しいことです。教師が10歳代の学習者へ与え伝えるべきものは、教師本人が必ず経験してきた音楽体験です。

 教師は、その体験で得たものを噛み砕いて伝えることが大事です。知っておくべき音楽の知識や常識を伝え、その曲のおおまかな解釈上の意味や意図、何故この曲を練習するのか、各部分の解釈や練習方法、フレージングや音楽的解釈、練習の順番や完成までのモチベーションなどについて、学習者が納得するまで言葉や模範演奏を駆使して説明します。ただ、教師が学習者に模範演奏を聴かせたとしても、どの部分が自分の演奏と違うのか、どのように違うのか、感の鋭い学習者には違いが分かったとしてもどうしたら同じように演奏できるのか、そのためにはどんな技術が必要でどんな気持ちの持ちかたで対応するのか、その技術や心境へはどのようにして到達するのか等、一朝一夕に解決するものはひとつもありません。学習者自身の解釈だけでは、技術や音楽解釈がひとりよがりの偏ったものになりがちです。だから、教師は言葉やさまざまな視覚のツール、そしてサンプル演奏を使って説明し、本当に理解したかどうかを観察する必要があるのです。






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