3歳〜10歳頃の音楽学習
ソルフェージュ・テキストの導入(3・4歳以降)
ドレミ歌唱に慣れてくると次の段階では、簡単なソルフェージュのテキストを利用するのも音感学習の助けになります。最初は「ドレミ」程度の3度くらいの音域から学習を始める方法、一番声が出やすい音域(子供によって個人差がある)で学習する方法、いきなり最初から半音の感覚を歌う方法等々、工夫が必要でしょう。聴覚と視覚(テキスト譜)と発声の三位一体となった学習が、複合的にたくさんの情報を吸収する習慣として、人間の脳を大いに成長させてくれます。ピアノの鍵盤を見ながら歌の練習をすると言うことも視覚からのもうひとつの入力が加わり、ピアノを学習する子供たちが早く音感を習得できる理由になっています。
「上手に歌う」とか「大きな声で歌う」などの成果を狙ったトレーニングを施すべき時期ではありません。特に好ましくないことは、幼稚園や学校、楽器メーカーなどが主催するグループレッスンでよく見られる「大きな声で元気よく!」です。このレッスンは、本人の音感習得の妨げになるだけでなく、自分が出した声や伴奏の楽器の音を聴かずに演奏する習慣を身に付け、音楽に情緒を感じる勉強の機会を逃してしまいます。大きな声で歌って喜んでいるのは、音感教育を勘違いしている親や先生たちだけで、まわりの子供たちの邪魔をしていることにもなっているのです。
脳のしくみと音楽(17)へ
長曽我部誠の日記帳と題して、海外旅行のおもしろ話など満載 |
イギリスの作曲家=ブリテンがオーボエのために書いた曲「6つのメタモルフォーズ」に登場するギリシャ神話の6人のキャラクターについて |