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ニューヨーク編2

9.11 ニューヨーク・テロ


アメリカ人の正義感と愛国心

2001年9月11日に起こったアメリカの自爆テロは、世界中に大きな打撃を与えました。ニューヨークのあの偉大なワールドトレードセンタービルディングが跡形もなく消えてしまったという事実を、ぼくは、まだ信じることができません。

6000人以上の死者が出た中で知人に直接の被害がなかったことは不幸中の幸いですが、20年来の友人でオーボイストのジェリー・ロイター(元オルフェウス室内合奏団首席奏者)が、ピッツバーグ郊外に墜落したハイジャック機と同じ時刻に同じニューアーク空港を発ってアラスカに飛んでいたことを知りました。テロ犯が国内線の長距離便を狙っていたということも分かり、ジェリー君もハイジャックに遭う可能性があったと思うと、ゾッとします。ニューヨークの音楽関係者の話によると、このテロで命を落とした音楽家はいなかったそうです。音楽界の一員としては、せめてもの救いでした。

今週になって、ピッツバーグ郊外に墜落したハイジャック機内の様子が、だいぶ分かってきましたので、ぼくの想像力も加味してここで再現してみます。

1. クリーブランド近くでハイジャック犯が、カッターナイフを使って人質をとる。
2. コックピットから出てきたパイロットを殺し、機を占領。
3. 機をユーターンさせ、ホワイトハウスに向かう。
4. 乗客の一部は携帯電話で地上と連絡をとり、ニューヨークの自爆テロを知る。
5. 自分たちも自爆テロに巻き込まれることを悟り、死を覚悟する。
6. 機内で話し合い被害を最小限に食い止めるため、機を墜落させることを決断。
7.' Letユs Roll!'の掛け声で犯人に突っ込む。
8. コックピットにも突入し、犯人と格闘して機を墜落させる。


ぼくは、総じてアメリカ人は善人面の偽善者で、見せ掛けだけのナイスガイという印象を持っていました。事実、そんな人間性を見る場面に少なからず出くわしていますから・・・。しかし、このハイジャック機の乗客の取った行動からは、アメリカ人の正義を遂行する強い意志、的確な決断力や実行力を感じます。特に国や国民を守るために自分の命を賭けた愛国心は尊敬に値するものだと思います。今、ぼくは、アメリカ国民を表面からしか見ていなかった自分を恥ずかしく思っています。

電車の中や公衆の前での犯罪に対する小さな正義も守れない日本人に、果たして命を賭ける愛国心があるでしょうか?正義感や愛国心を発揮べき時に、行動をおこす勇気があるでしょうか?自分が助かることを優先するのではないでしょうか?

多数の日本人が犠牲になったにもかかわらず、何も感じない、何もできない、何もしようとしない、ましてや何も言わない、意思を持たない日本人を恥とさえ思います。

ハイジャック機の乗客が発揮したような正義感や行動力が日本人に備わったとき、本当のインテリジェンスが評価され、国際社会で日本が世界と対等に渡り合えるようになるのではないでしょうか。

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